Re: 引渡命令について

投稿者:窪田徹郎
投稿日:2002年4月15日 08時00分34秒
リモートホスト情報:p294e29.tokynt01.ap.so-net.ne.jp
TOM氏の投稿「 引渡命令について」に対するフォロー記事です

(内容)

> 例えば、物件明細書に「14年4月1日以降の更新は買受け人に対抗できない」と記載されているとします。

と云うことは、裏をかえせば「現在対抗することができる賃借あり」と云うことです。その「現在」とは物件明細書作成時です。

> 買受け人が14年4月1日以降に落札代金を納入すればその占有者に対抗できる(つまり、引渡命令がでて敷金を引き受けない)ことは理解しているのです。

理論上そうなのですが実務では物件明細書作成時期をもって決めているようです。実務で同様の案件がありましたら、引渡命令申請してみて下さい。却下なら執行抗告し最高裁まで争って下さい。まだ、そのようなものは見あたらないので新しい判例になるかも知れません。

> ただ、もし買受け人が14年1月1日に落札代金を納入した場合どうなるのでしょうか。法律上納入日から6ヶ月の間は引き渡し命令がでることになっていますが、そこから「1月1日に代金を納入した買受け人は4月1日まで待てば占有者を引き渡し命令で退去させられるし敷金も引き受けなくて済む。」ということになるのでしょうか?

それはそうではありません。14年1月1日に落札代金を納入したと云うことは同日に所有権が移転しており同日付けの権利義務を承継している(敷金返還義務も)ので賃借権を負担しています。ですから引渡命令の申請が何時であろうとも承継義務の日時が変わるものではありません。

> もしそうであるなら、占有者は4月1日までに契約を解除するのが有利ということになりますがそういうことなんでしょうか。

お問い合わせの案件は短期賃借権と引渡命令の存否の問題と思われますが、物件明細書で短期賃借権が認められているなら、代金納付が何時であろうとも、また、引渡命令の申請時期が何時であろうとも引渡命令は発せられていません。私は、そのようなときには、例え代金納付の時期が短期賃借権の期間内であったとしても、代金納付直後に本訴を提起(明渡訴訟)しています。賃借人に対しても契約解除とか、それらの通知はしていません。本訴の中で、争いますので必要ないわけです。引渡命令を申請しても却下や執行抗告で時間がかかり、かえって、本訴の方が早い場合があるからです。


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