Re: 競売で落札された家の追加代金について

投稿者:窪田徹郎
投稿日:2002年7月14日 11時52分09秒
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おぐら氏の投稿「 競売で落札された家の追加代金について」に対するフォロー記事です

(内容)

> 私は、大工をしていまして、家ができるのと同時にベランダ、ブロック塀、倉庫を作りました。しかしその代金をもらえないままその物件が競売になり落札されました。請求書の送付は、抵当権前です。この金額を新所有者に請求できないでしょうか?また、今後そのようなことが無い為には、どうしておけばいいのでしょうか?ご回答よろしくおねがいします。


何でもそうなのですが、まず、話し合いが大切だと云う点は山口さんの意見に賛成ですが、私は決裂したときの、又は、争いのないようにするため法律的なお話します。
おぐらさんがベランダなどの工事をしたと云うことは民法上の「請負契約」が適用されます。請負契約は仕事をすることで製品の注文などと違って仕事をしたからと云って所有権が請負人にあるわけではありません。完成すれば相手は代金を支払う義務が待っているだけです。今回の場合には代金の支払いのまま競売になったと云うことは所有権は買受人にあります。そこで、買受人が未払い代金を承継したかどうかが問題となりますが、そのような場合に承継すると云う法律はありません。従って、新所有者(買受人)にその金額を請求できません。
旧所有者が支払わないなら新所有者が支払わなければならないと云う法律はありませんが、請負人には「先取特権」と云う特別に一般債権者に優先して弁済を受ける権利が与えられています。(民法327条)ただし、これは登記が必要です。(同法177条)登記をしないからと云って(実務ではその登記は少数です)回収は不可能かと云うとそうでもありません。今回の場合は競売となったわけですから、その競売で売却代金のなかから返済してほしいと云う配当要求をしておれば裁判所から配当されます。(民事執行法87条)その手続きも額も同法で決められており、それに従って裁判所からお金がもらえます。
今後のことですが、上記のように裁判所の手続きさえしておれば法律上請負人には保護されています。何事も裁判所の手続きが大切だと思います。
なお、山口さんは「作ったものを撤去するぐらいの勢いでいくのがいいでしょう。法的にはなんら問題はありません。」と云っておられますが私は賛成できません。何故なら、撤去すると云うことは他人の物を毀損するわけですから刑法上器物破損罪か又は建物損壊罪となり重罪となる場合があるからです。




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